北海道千歳市で次世代半導体の国産化を目指すラピダスは27日、カナダのテンストレントから最先端の人工知能(AI)向け次世代半導体の生産を受託すると発表した。テンストレントが設計・開発を、ラピダスが製造を担う形で協業する。スマートフォンなどの端末に直接搭載して消費電力や通信量を大幅に効率化できる「エッジAI」向け半導体で、生産量や金額などは明らかにしていない。
2025年に試作ラインの稼働を目指すラピダスが、生産受託を公表したのは初めて。両社は昨年11月に業務提携を結び、協業を進めている。ラピダスの小池淳義社長は会見で「歩留まりの向上や品質が上がる相乗効果を与えることができる」と優位性を強調した。台湾積体電路製造(TSMC)や韓国のサムスン電子とも提携・協業しているテンストレントのジム・ケラーCEOは「様々な製品を生産していく。ラピダスとの協業に期待している声は多い」と語った。(杉山歩、日浦統)