古布の回収で連携する協定を結んだ葛飾区の青木克徳区長(左)とライフコーポレーションサステナビリティ推進部の皆川剛部長
気候変動対策を巡る資源循環の推進に向け、東京都葛飾区は7月13日から、食品スーパーを展開するライフコーポレーション(品川区)と連携して古布・古着を回収する。区は布団類やペットボトルなど使用済みの製品を原料に、同じ製品を新たに作る「水平リサイクル」を推進。町会にもリサイクル活動が広まりつつある。(押川恵理子)
区は現在、区立施設20カ所で年間約250トンの古布・古着を回収しているが、家庭からは推計で年間2000トンほどの繊維類が焼却ごみとして出されている。身近な食品スーパーの協力によって回収をしやすくして、ごみ減量や再資源化を促進させる狙いだ。
区内に5店舗あるライフで月1回ずつ回収日を設ける。集まった古布は古着として再使用したり、車の内装に使う防音材などに活用する。泥や油汚れのある古布などは回収できない。
資源循環に関する民間事業者との協定は今回が7件目。6月24日の協定締結式で青木克徳区長は「区民や企業の協力を広げたい」、ライフのサステナビリティ推進部の皆川剛部長は「地域とのつながりを大切にして、サーキュラーエコノミー(循環経済)の拠点を目指したい」と話した。
古布の回収を町会で初めて実施する「新栄町会」の人たち=いずれも葛飾区で
古布の回収に独自に取り組む町会もある。新宿(にいじゅく)1、2丁目の新栄町会婦人部は30日、町会会館で古布・古着を初めて回収する。「区が進める水平リサイクルの活動を浸透させたい」と、鈴木澄江婦人部長(77)。当日は、賞味期限まで1カ月以上ある未使用食品を集めて子ども食堂に無償で提供する「フードドライブ」も同時に実施する。矢作東一町会長(73)は「国連の持続可能な開発目標(SDGs)に地域として協力したい」と話した。