東京都大田区の羽田空港隣接エリアにある複合施設「羽田イノベーションシティ(HIC)」で18日、運転手なしで走る「自動運転レベル4」のバスの運行が始まった。昨年5月の福井県永平寺町に続き全国2例目で、民間主体では初めて。運転免許を持つ運転手が乗る必要はなく、社会的課題となっている乗務員不足の解消が期待される。
運転手を乗せず、自動運転レベル4で走るバス=18日、東京都大田区で
11人乗り電気バス1台が最高時速12キロで、施設内2カ所のバス停を結ぶ1周約800メートルのコースを無料で運行する。茨城県境町の遠隔監視センターで運行状況などを確認するほか、当面の間はスタッフが乗り込み、乗車案内や事故時の救護に当たる。将来的にはスタッフを乗せず、遠隔監視で乗客をサポートする。
HICを運営する羽田みらい開発と、同社への出資企業代表の鹿島、自動運転事業のBOLDLY(ボードリー)は2020年9月、運転手が監視する「レベル2」のバス運行をHICで開始。今年6月には東京都公安委員会などが、レベル4での運行を許可した。
出発式で乗車体験をした大田区の鈴木晶雅区長は「安全が保たれていた。地域の公共交通がスムーズに運行されれば」と期待した。当面は予約客らを乗せ、一般客を乗せての運行は8月ごろに始める。レベル2の実験は今冬から区内の市街地でも実施する予定。(中村真暁)
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