JR中野駅前のシンボルでもある複合施設「中野サンプラザ」の建て替え問題などが争点になる東京都中野区長選(5月31日告示、6月7日投開票)には、これまでに現職や新人の4人が立候補を表明しているが、自民党が推薦する候補者の姿はない。自民の現職区議の擁立を模索したものの断念し、党員がそれぞれ投票先を決める自主投票に決まった。
2月の衆院選では区が入る選挙区で、自民が高市早苗首相の支持率の高さを背景に、知名度の高い中道の長妻昭衆院議員を破った。「その勢いを区長選でも」とはいかず、自民が不戦敗になったワケとは。(足達優人、木谷孝洋、小林由比)

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「候補者を出さずに、どうするんだ」「そんなみっともないことがあるのか」「候補者を担がずに、選挙になるのか。(同日に投票される)区議補欠選挙の抱き合わせもある」
自民党中野総支部の関係者によると、5月中旬に候補者擁立を断念することを正式決定するまでに、支部の党員らからは、そんな不満の声が飛び交っていたという。

JR中野駅前にある複合施設「中野サンプラザ」=2025年6月撮影
中野区議会で審議された2026年度の予算案は3月6日に賛成多数で可決されたが、自民議員団は反対した。3選を目指す酒井直人・現区長との対決姿勢を鮮明にして、区長選になだれ込んでいくシナリオは大きく崩れた。
酒井区長は2018年の区長選で、自民や維新が推薦した当時現職の田中大輔区長らを破り、初当選を決めた。酒井区長は立憲民主党、国民民主党、社民党などの推薦を受けたほか、共産党が独自候補擁立を見送って支援に回り、「野党共闘」のような形で初当選していた。
前回2022年の区長選でも酒井区長は、自民党中野総支部推薦の新人候補者を退けた。目下、自民に2連勝中ともいえる。それだけに、自民にとっては捲土(けんど)重来を期す機会でもあったはずだった。
今回の区長選が迫る中、当初は、中堅の自民区議が立候補に意欲を示していた。今年に入ってからは、総支部の中で推す声もあったが、区議は家庭の事情もあり、立候補を断念した。
総支部はその後も候補者を探していたが、結局、ふさわしい人を見つけることができなかった。総支部関係者は「情...
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