沢口香織さん
保険代理店を東京都大田区で経営しています。新型コロナウイルス禍以降、医療保険などの解約が増えました。物価高や社会保険料の値上がりで生活費がかさみ、みんな月額3000、4000円の保険料が払えなくなっています。
顧客には、国民年金で暮らす高齢夫婦や、コロナ禍に受けた融資を返済する自営業者、一日中働きづめのトラック運転手もいて「先が見えない」と将来を悲観しています。どうすれば彼らの人生を守れるだろうと、悩ましいです。行政職員やスクールソーシャルワーカーなどの公務員も非正規化が進んでおり、安定した職に就く人が増える政策を望みます。
生活困窮者の役に立てばと、夫と購入した木造アパートを支援団体に提供しました。一時保護施設(シェルター)として活用されていますが、一度住まいを失った人が再び住まいを確保する難しさを感じています。都営住宅に入るにも高倍率で、住まいの問題も待ったなしです。
弱い立場に追い込まれた人に優しい社会は、誰にも優しいと確信します。知事選の最重要ポイントは、人権を大切にする政治へと転換できる人を選ぶことだと思います。(中村真暁)
【関連記事】「済証」目当てでもいいから投票に来て都知事選と都議補選一部の区、投票率アップへデザインひと工夫
【関連記事】東京都知事選の立候補者一覧