24日の激しい雷雨に伴う突風で根元から倒れた桜の木=小金井市の都立小金井公園で(同園提供)
東京都内で24日昼に発生した激しい雷雨に伴い、小金井市周辺で多数の樹木が根こそぎ倒れるなどの突風被害が出ていたことが、気象庁の現地調査で分かった。(宇佐見昭彦)
25日夜に調査結果を発表した東京管区気象台によると、小金井市では都立小金井公園内の樹木や街路樹など、少なくとも数十本の倒木が確認された。高さ5メートル以上、幹の直径30センチ以上の木も倒れていたという。
被害は近隣の市でも確認され、府中運転免許試験場(府中市)の付近では木の枝が多数折れ、武蔵村山市では道路脇に設置されたカーブミラーが支柱の根元から折れていた。
市民への聞き取り調査では、漏斗雲(ろうとぐも)(積乱雲の下に漏斗状に垂れ下がる雲)など竜巻を示唆するような目撃情報はなかった。
倒木の向きや飛散物の状況などから、突風の原因は、積乱雲の下で起きる強い下降気流が地面にぶつかり四方に突風が吹く「ダウンバースト(下降噴流)」か、積乱雲の下にたまった冷気と周辺の暖気との境目で突風が起きる「ガストフロント(突風前線)」の可能性が高いとみられる。
突風の強さは、風速約30メートルと推定。JEF(日本版改良藤田スケール)と呼ばれる突風の尺度(0~5の6段階)では、最も弱い「0」(自動販売機や物置が横転、鉄筋なしのブロック塀が倒壊など)に相当するという。
24日は猛暑と湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定となり、都内各地で激しい雷雨となった。府中市にある気象庁のアメダス観測点では午後0時半の気温が25.8度と、10分間で約10度も下がるほど天気が急変。最大瞬間風速13.6メートルの西風を観測していた。
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