東京都知事選で19人を公認するなど計24人の関連候補を擁立した「NHKから国民を守る党(NHK党)」。24人分のポスターの枠を一般に売却するなど物議を醸して話題を集めたが、果たしてどれだけ得票に結び付いたのだろうか。(デジタル編集部)
記者会見する「NHKから国民を守る党」の立花隆志党首=6月21日、佐藤裕介撮影
NHK党は今回、都知事選のポスター掲示板に24人分のスペースを確保。一定額をNHK党に寄付すれば、都内約1万4000カ所にあるポスター掲示板のうち1カ所で、寄付者が独自に作成したポスターを最大24枚貼れるという活動を展開した。
このため、候補者とは無関係のポスターが掲出される掲示板が相次いだ。候補者本人のポスターは貼り出さなかったもようだ。
NHK党に関連した候補の多くは数百票にとどまり、下位に沈んだ。東京都内の会社員女性(46)は7日の投票後、「NHK党からだれが出馬しているのか分からなかった」と話した。
NHK党が「販売」した掲示スペースが同一デザインのポスターで占められた掲示場=6月20日午後、東京都千代田区で
24人を合わせても得票数は11万2081票と7位相当で有効投票総数の10分の1に達せず、一人当たり300万円の供託金計7200万円は没収となる。
ポスターの掲示枠を販売したとはいえ、NHK党の立花孝志党首は6月21日の記者会見で売却したのが1000~1500カ所程度だったと説明。最終的に「利益」は出ていないとみられる。
苦戦した同党関連候補の中で、比較的健闘したのはアディーレ法律事務所の創業者、石丸幸人氏。全体の中で8位となる9万6222票を集めた。
ただ、立花氏は5月24日の記者会見で、元安芸高田市長の候補者、石丸伸二氏を引き合いに「皆さんも(下の名前を)覚えていない。50人ぐらい候補者が並ぶと、『石丸』(を見たら)『幸人』か、と思って書く人がいる」と有権者が書き間違える可能性があると分析。投開票日の7日もYouTubeで「有権者の12人に1人ぐらいは、石丸伸二さんに入れたかったのが、石丸幸人さんに入れてしまったのではないか」と語っていた。
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