東京・池袋で母子2人が犠牲になった乗用車暴走事故から7年となった19日、遺族の松永拓也さん(39)たちは事故現場の交差点近くの慰霊碑に献花、黙とうした。松永さんは報道陣の前で、「私も遺族になるまで、交通事故は心のどこかで人ごとだと思っていた」と涙をこらえながら「後悔」を語り、交通安全意識の向上を呼びかけた。

池袋での乗用車暴走事故から7年となり、事故現場近くの慰霊碑に花を手向ける遺族の松永拓也さん(手前)と亡くなった妻・真菜さんの父・上原義教さん=東京都豊島区で(安江実撮影)
松永さんは今も月に1、2度、対面での講演に出向く。通算回数は昨年12月に100回を超えた。再発防止への意義を感じる一方、講演からの帰り道は涙があふれる。事故後、サクラは妻子の命日の近さを告げるつらい花になった。素直に「きれいだな」と思えるようになったのは、今春だ。
同じ体験をする人が減るように松永さんは「さまざまな交通事故のニュースを人ごとだと思わず、自分も被害者にも加害者にもなるかもしれないと捉えてくれたらうれしい」と訴えた。

池袋での乗用車暴走事故から7年となり、心境を話す松永拓也さん(左)と上原義教さん=東京都豊島区で(安江実撮影)
警察庁のまとめによると、全国の交通事故死者数は減少傾向だが、2025年は2547人亡くなった。
池袋暴走事故は2019年4月19日昼、当時87歳だった男性がブレーキとアクセルを踏み間違え、松永さんの妻子を死亡させ、9人を負傷させた。男性は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で禁錮5年の実刑となり、受刑中の2024年10月に死亡した。(福岡範行)