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「独身偽装」に110万円の賠償命令 アプリで知り合い交際5年、妊娠告げたら既婚者だと

May 6, 2026 ファイナンス IDOPRESS

マッチングアプリが結婚につながる出会いの手段として定着する一方、既婚者と告げずに性的関係を持つ「独身偽装」の被害が問題となっている。既婚者であることを隠した男性とアプリで知り合い、妊娠、流産した東京都内の30代女性は損害賠償を求めて提訴し、法廷で「今までの時間は何だったのか」と憤りをあらわにした。(三宅千智)

◆「婚約破棄で傷ついた」といわれ結婚話は避けていた

「とてもショックだった。結婚していると聞いていれば妊娠も流産もなかった」。2月中旬、東京地裁。女性は声を絞り出した。

女性の証言などによると、大手総合商社に勤める40代男性と2019年、マッチングアプリで知り合った。しばらくメッセージのやりとりをし、都内の飲食店で会ったとき、男性は「付き合っている人はいない」と話した。

間もなく交際に発展。男性の都合で、交際当初を除き、会うのは主に平日の夜だった。互いの自宅に行ったことも、旅行したこともなかった。

というのも、男性から「婚約破棄して傷ついている」という内容の発言があったから。これ以上傷つけてはいけないと、結婚など将来的な踏み込んだ話はしていなかったという。

◆法廷で男性は「遊び目的で割り切った関係」と

そんな中、交際5年目の2024年、妊娠が判明した。女性は「うれしくて子どもの名前を考えていた」。しかし、男性に報告すると「子どもは欲しくない」と中絶を求められた。問いただすと、既婚者だと明かした。

おなかの子は流産。女性は昨年6月、人格権や性的自己決定権を侵害されたとし、慰謝料など550万円を男性に求めて提訴した。

法廷で男性は、既婚者と言わなかった理由を「遊び目的で割り切った関係と思っていた」と繰り返した。

◆「相手に非があると認められ、前に進める」

4月23日の判決で坂本智裁判官は、男性が「結婚の現実的な可能性があるように装い、女性に性交渉に応じさせた」として、女性の自己決定権を侵害したと認定。5年に及ぶ交際の末、妊娠が分かると突き放した男性の対応を「不誠実」と断じ、110万円の支払いを命じた。

閉廷後、取材に応じた女性は「相手に非があると認められた。けじめをつけて、前に進める」と話した。

判決後に取材に応じた女性。母子手帳は今も手元にある

妊娠後に用意した母子手帳は今も手元にある。「裁判を起こすのは負担で、泣き...

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