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唯一無二にこだわって 国立市の印章職人・眞田智成さん 技能グランプリで内閣総理大臣賞を受賞

Jul 21, 2024 人生 IDOPRESS

手彫りではんこを制作する眞田智成さん

東京都国立市の印章職人、眞田智成さん(59)が、北九州市などで開催された第32回技能グランプリ(一級技能士全国技能競技大会)で内閣総理大臣賞を受けた。3度目の挑戦で悲願の最高位に。書類のデジタル化で脱印鑑が進む中「手彫りのはんこは一つとして同じ物がない唯一無二の存在。魅力にこだわっていきたい」と話す。(岡本太)

技能グランプリは2月23日からの4日間で、建築大工や和裁、石工など全30職種に、全国から379人の1級技能士が出場した。眞田さんは「印章木口彫刻」の種目に参加。てん書体の「国宝漢委奴国王金印」9文字を、3センチ角の木に7時間かけて彫った。彫りの技術や字体の美しさが評価された。

父も印章職人だった影響で、10代の頃に修業を始めた。33歳の時、父が残した国立市内の店「宝文堂印舗」を継承。「はんこを巡る社会の状況が、今とはまったく違った時代。技術を磨くのに必死だった」と振り返る。

内閣総理大臣賞を受賞した眞田さん=いずれも国立市で

デジタル化が進みはんこの出番が減る中「職人としての技術、こだわりを試してみよう」と、5年前に初めて技能グランプリに挑んだ。結果は銅賞。3年前の再挑戦では銀賞で、最高位に届かなかった。

今回は60歳を目前に「これで最後かもしれない」と覚悟して臨んだ。「刀の走りが良く、これまでで一番調子が良かった。受賞を聞いた時、ほっとした」

2020年代に入り、脱はんこの流れが加速している。「職人が美しさにこだわり、手で彫ったはんこは、複製できない最高のセキュリティーを誇る」と眞田さん。「簡単にコピーできるデジタルの時代だからこそ、この技術がきっと輝く時が来る」と信じている。


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