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地上げ交渉難航…「燃やして来い」 法廷に立たされた不動産会社の男 地価高騰する東京で起きた放火事件

Sep 14, 2026 人生 IDOPRESS

東京都内の土地の値上がりが続いている。地価の高騰を背景に、東京・武蔵小山では、地上げ屋の従業員が、立ち退き交渉が難航した民家に放火をするという、バブル期の過熱ぶりを彷彿(ほうふつ)とさせる事件も起きた。放火は極端な例だが、令和の地上げは、身近なトラブルにも発展し、相談も増加傾向にある。(井上真典、米田怜央)

◆「都内で一、二を争うほど治安はいい」住宅街で

昨年10月31日午前5時過ぎ、東急目黒線武蔵小山駅(品川区)から徒歩3分の住宅街にある民家の郵便受けが燃えた。2週間余りたった11月18日深夜、隣の無人のアパートの一室から再び火の手が上がった。

「あれって、放火じゃないかと近所でうわさになった。何十年も住んでいるけど、そんなこと起きたことない」。近所に住む住民男性は、当時を振り返る。

売買交渉を拒み燃やされた住宅の郵便受け=3月、東京都品川区で

駅周辺は、近年急速に開発が進んでいる。駅前には2019年と21年に41階建ての超高層タワーマンションが立て続けに完成した。

地元の不動産業の男性は「周辺は、坪単価が400万円超え、5年前と比べると、3割超は上昇している」と話す。家族連れや1人暮らしの女性が引っ越して来ることも多く、人気のエリアだという。「都内で一、二を争うほど治安はいい」と説明する。

事件が進展したのは、今年2月。警視庁は、非現住建造物等放火などの疑いで、男6人を逮捕。うち、放火を主導したとされた内藤寛己(ひろき)被告(31)は、周囲の「地上げ」を担当する不動産会社(港区)の従業員だった。

◆「ちょっと驚かせば出て行くだろう」

9月2日、東京地裁であった初公判で、内藤被告は紺色のスーツ姿で出廷。交渉から放火に至ったいきさつを語った。

「社長の取ってきた案件と聞いており、比較的難しくない」と、当初は考えていた。放火の2カ月半前、周辺住民との売買交渉を任された。3軒のうち、2軒は交渉が順調に進んだ。残る1軒が難航したという。

東京地裁(資料写真)

「10回以上訪ねたが、1回も話はできなかった」。手紙も2回出すと、代理人を通じて、売らない旨の連絡を受けた。その際、他の業者から3度の価格提示を受けたが、拒否していた事実を告げられた。

交渉前に聞いていた話と違う――。当時、事実を告げると、社長も驚いていたという。直後、2人きりになった際、社長から「『ちょっと驚かせば出て行くだろう。燃やして来い』と指示を受けた」と主張した。

冗談だと思っていたが、社長は...

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