昨年のスノーボード世界選手権男子ビッグエア王者で、今季もワールドカップ(W杯)で優勝するなど好成績を収めている長谷川 帝勝 (18)(STANCER)が、読売新聞のオンライン取材に応じた。2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け、「金メダルを狙える位置にいると思う。けがなくシーズンを戦い抜き、結果もちゃんと出していく」と力強く語った。
昨年12月のW杯では、22年北京五輪金メダルの中国人選手を最後の3回目で逆転し、スロープスタイルを含めてW杯通算3勝目を挙げた。「『絶対にまくってやる』という気持ちで戦った」と振り返り、「1回勝ったからといって超えたわけではないが、すごい自信になった」と振り返る。
1月には、米国で行われた賞金大会「Xゲームズ」を初制覇。通常とは逆のスタンスで背中方向に5回転半する大技「スイッチバックサイド1980」を成功させての勝利に、「いっぱい回っていても集中していて、ランディング(着地点)はずっと見えていた。自分の技になった感じがした」と手応えを口にした。
好調の要因に、精神面の成長を挙げる。テニス選手の心身について書かれた本をコーチの勧めで読むようになり、練習で思うように滑れなくても、「本番には関係ない」と落ち着いて臨めるようになったという。板をつかむグラブなど細かい技術も高得点につながっていると分析している。
3月1日から競技が始まる全日本選手権は、「自分が出ることで注目も集まるだろうし、より多くの人に(魅力を)知ってもらえる」と捉えている。将来的には6回転技への挑戦も見据えるが、「まず5回転半の技をどの台でも成功させられるようにしたい」と冷静だ。五輪で頂点に立つべく、着実に実績を積んでいく。(佐藤雄一)