7月7日投開票の都知事選では、少子化対策や明治神宮外苑の再開発、気候変動への対応などが問われています。主な候補6人へのアンケートを基に政策を紹介します。(届け出順。回答文は原則、表現を変えずに掲載しています)
<1>東京都の少子化対策は今後どうあるべきだと考えますか?
<2>高校授業料実質無償化を将来的にどうしますか?
<3>「018サポート」事業を今後どうしますか?
<4>神宮外苑の再開発を進めるべきだと思いますか?
<5>東京都の気候変動対策はどうあるべきだと考えますか?
<6>新築住宅への太陽光パネル義務化を進めるべきと思いますか?
<7>柏崎刈羽原発の再稼働に賛成ですか?
<8>東京都としてPFASの汚染源調査や除染対策に取り組む必要があると考えますか?
<9>日米地位協定の改定を必要だと思いますか?
<10>選択的夫婦別姓制度の導入についてどう考えますか?
小池百合子(こいけ・ゆりこ)さん(71)=無所属・現職=元衆院議員
石丸伸二(いしまる・しんじ)さん(41)=無所属・新人=元安芸高田市長
安野貴博(あんの・たかひろ)さん(33)=無所属・新人=AIエンジニア
清水国明(しみず・くにあき)さん(73)=清水国明と東京都の安全な未来をつくる会・新人=タレント
田母神俊雄(たもがみ・としお)さん(75)=無所属・新人=元航空幕僚長
蓮舫(れんほう)さん(56)=無所属・新人=元参院議員
【少子化対策】国全体の課題ですが、都もこれまで、高校授業料の実質無償化や、18歳以下の都民に毎月5000円を支給する「018サポート」などさまざまな対策を打ち出してきています。都の少子化対策は今後どうあるべきだと考えますか。
小池百合子さん
子育てや教育にお金のかからない総合的な政策を進める。
石丸伸二さん
若年層の雇用・所得環境の改善に取り組むべき。
安野貴博さん
手厚い経済的支援と子どもが欲しい方への支援を組み合わせるべき。
清水国明さん
平時ではリモートワークなど、有事では病児保育体制などの検討。
田母神俊雄さん
少子化対策というなら、未婚の人を支援して手取りを増やすこと。
蓮舫さん
若者が結婚や子どもを諦めないで済む政策。雇用正規化や手取り増。
【高校授業料実質無償化】都の所得制限なしでの実質無償化について、他県の支援策との差が波紋を広げた側面もあります。高校授業料の実質無償化を将来的にどうしますか。
1.続ける2.所得制限などを設けて縮小して続ける3.住民税非課税世帯など困窮世帯に限定して続ける4.中止する
小池百合子さん
続ける。居住地等で差が生じないよう、国が自らの責任と財源で実施すべき。
石丸伸二さん
どれでもない。少子化の進行に伴い、公立高校の存続に懸念が生じるため。
安野貴博さん
続ける。教育費に対する積極的な支援の一つとして、授業料無償化を続ける。
清水国明さん
住民税非課税世帯など困窮世帯に限定して続ける。首都、東京への一極集中の助長を避けるため。
田母神俊雄さん
所得制限などを設けて縮小して続ける。子どもを育てるのは家庭か社会か、イデオロギーを持ち込まない。
蓮舫さん
続ける。高校授業料など教育に係る費用は、公が負担すべきと考えます。
【018サポート】都の「018サポート」について、対象である保護者から評価の声が上がる一方、効果を疑問視する声や申請手続きの煩雑さを指摘する声もあります。事業を今後どうしますか。
1.支給額を増額して続ける2.現状のまま続ける3.支給額を減額して続ける4.中止する
小池百合子さん
現状のまま続ける。全ての子供たちの成長を切れ目なく支えていくことが重要。
石丸伸二さん
どれでもない。効果を検証し、事業の継続を判断する。
安野貴博さん
現状のまま続ける。子育てへの経済的支援として金額を維持しつつ手続きを効率化する。
清水国明さん
現状のまま続ける。賃金上昇と物価高騰にギャップが生じているため。
田母神俊雄さん
中止する。取ってつけたようなアイデアはだめ、運営も見越したものを。
蓮舫さん
現状のまま続ける。子育て家庭の負担軽減で前進だが、被虐待児童対応など課題あり。
【明治神宮外苑再開発】都は「認可などの手続きは法令などに基づいている」などと対応は適切としています。一方「都が高層ビル建設を可能にした」などの批判もあります。再開発を進めるべきだと思いますか。
1.進めるべきだ2.どちらかと言えば進めるべきだ3.どちらかと言えばやめるべきだ4.やめるべきだ
小池百合子さん
進めるべきだ。外苑地区の課題解決を図り、100年先につながるまちづくりが必要。
石丸伸二さん
どちらかと言えば進めるべきだ。広く冷静な議論を呼び掛け、より良い選択肢を模索するべき。
安野貴博さん
どちらかと言えば進めるべきだ。過去の対応に改善の余地はあるが開発中止は追加費用負担が大きい。
清水国明さん
やめるべきだ。樹木保全が健全な都民生活に必須であり、減らすべきではない。
田母神俊雄さん
やめるべきだ。拙速な進め方では、一部で得をする人のほかは、みな不幸だ。
蓮舫さん
やめるべきだ。立ち止まるべき。環境アセスメント等を改めて厳格検証する。
【気候変動対策】都は、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」達成を目指し、再生可能エネルギー利用拡大などに取り組んでいます。これに対し、期限内の実現は厳しいとの見方も上がっています。都の気候変動対策はどうあるべきだと考えますか。
小池百合子さん
グリーン水素など次世代エネルギーの可能性を伸ばした総力戦。
石丸伸二さん
経済合理性を軸に再考すべき。
安野貴博さん
カーボンハーフを引き続き目指しつつ進捗は客観的に評価すべき。
清水国明さん
再生可能エネルギーの開発支援、パークアンドライド等の施策実施。
田母神俊雄さん
やって意義があることを、無理ない範囲でやればいいだろう。
蓮舫さん
温暖化対策は、非常に重要な政策であり取組みを加速させるべき。
▶【次ページ】太陽光パネル義務化、PFAS対策…主な候補者たちの考えはに続く
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