支援者らに陳謝する馬場貴大さん(左)と萩生田光一さん=八王子市で
東京都の八王子市選挙区では、自民党実力者の萩生田光一さんが強固な地盤を誇る「萩生田帝国」で議席を得られず、自民支援者らの間に衝撃と落胆が広がった。
午後11時半すぎ、自民新人で元市議の馬場貴大さん(45)の落選が確実になると、事務所にはため息が広がった。奥の扉から萩生田さんと馬場さんが暗い表情で事務所に入ってきた。
萩生田さんは伏し目がちに「当初から自民に対する逆風があり、原因をつくった1人としておわびからの選挙だったが、差を縮めることができませんでした」と陳謝。「国政が大きな影響を与えてしまったことを改めておわびを申し上げたい」と繰り返し、「来年の(都議選への)リベンジに向け、立て直しをしていきたい」と頭を下げた。
馬場さんは、市議14年を務めたが「知名度が足りなかった。私の不徳の致すところ」と敗因を述べた。その後、報道陣の囲み取材で、自民への逆風の影響を問われると最初は言葉を濁したが「やっぱり逆風は感じてますよ。ごあいさつ行っても、ちょっと距離が遠かったり。逆風はありました」と本音をこぼした。
ある自民支持者は「この地域で自民が弱くなるなど情けない。(萩生田)先生への風当たりが強い」と目を赤くしながら語った。別の支持者も「ここは『萩生田帝国』。萩生田さんがだめなら一気に崩れ落ちることが分かった。気を引き締めて、政治不信を払拭しないといけない」と頭を抱えた。(昆野夏子)