マッチングアプリを悪用し連鎖販売取引(マルチ商法)の勧誘を繰り返したとして男女4人が逮捕された特定商取引法違反事件で、容疑者らが会社や団体を次々に立ち上げ、運営する「ビジネススクール」で名前を変えて講師をしていたことが、警視庁の調べで分かった。規制や摘発を逃れようとした疑いがある。
警視庁生活経済課によると、スクールを運営する連鎖販売業「プレジデント」元代表の坂本新(あらた)容疑者(30)と、関連会社「モノリス」代表・大森航斗(かずと)容疑者(26)が東京都から昨年3月、特商法に基づき9カ月間の業務禁止命令を受け、翌4月には別の関連会社「モア」を設立し、スクール会員に新たに大学生らを勧誘させていた。
警視庁が押収したマルチ商法の契約書やパンフレットなど
モアの他に訪問販売業「シャイン」や、会員が個人事業主として活動する団体「ワンハンドレッド」を設立。坂本容疑者は「新城(あらき)誠」、大森容疑者は「斎藤一幟(かずし)」などと名乗り、これらの会社や団体のスクールで講師となり、会員に新規勧誘をさせるなどマルチ商法を続けたという。
また同課は、坂本容疑者が活動を始めた2019年以降、自身の収益として5800万円を得ており、高級賃貸マンションの家賃や女性との遊興費などに充てたとみている。
同課は12日、ワンハンドレッドでも活動していたモア幹部の男性(26)と女性(27)、モノリスの幹部女性(30)を同法違反容疑で書類送検した。
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