3700万円の寄付で1着1100万円のスーツが作れる。
岸信介、佐藤栄作ら歴代首相も注文していた東京・銀座の老舗テーラーの超高級スーツ仕立券が、ふるさと納税の返礼品になった。東京都中央区が10日から受け付けを始めた。
ふるさと納税サイト「さとふる」に掲載されている寄付3700万円の返礼品
スーツを仕立てるのは1935年創業の「銀座テーラー」。45万円分(寄付額150万円)~1100万円分までの男性用7種類、女性用6種類を用意する。最高額の1100万円のスーツは男性用で、希少性の高い原毛などを使ったイギリス製の生地を使用。熟練の職人が1人で、全ての工程を手縫いで仕上げる。
ふるさと納税は都市部の住民が地方の自治体に寄付する傾向があり、税収の「流出」が問題になっている。中央区の流出額は年々増え、昨年度は34億円に上った。一方で、収入は7800万円にとどまった。
区総務課の担当者は「返礼品競争に乗り出すのではなく、本来の趣旨に沿って区を応援していただきたいという思い。銀座の職人がつくる良質な品で、区の魅力発信になれば」と話した。(鈴木里奈)
【関連記事】「企業版ふるさと納税」の闇が見えた匿名で寄付した企業グループへの還流疑惑節税対策に利用された?
【関連記事】万博チケットって大阪の特産品?ふるさと納税の返礼品、首をかしげたくなる大阪市のチョイス