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<ひと ゆめ みらい>ニュータウンの魅力紹介 パルテノン多摩学芸員・仙仁径(せんに・けい)さん(48)=多摩市

Jul 16, 2024 技術と科学 IDOPRESS

「電車の形にも時代の変遷がある。例えばドア。基本1車両に4カ所あるが、かつては3カ所。開く時はほとんどが左右へ両開きだが、以前は片側だけ開いた。2段式だった窓も今ではあまり見られない」。鉄道のことを語ると熱が入る。

東京都国立市生まれ。子どものころは鉄道や乗り物図鑑に親しみ、両親の実家がある東北や関西へ出かけるたび、普段見かけない形や色の電車やバスに接するのが楽しかったという。乗り物への思いを込めて、「パルテノン多摩」のミュージアムで開催中の「鉄道が街にやって来た~多摩ニュータウン鉄道開通50周年~」を企画した。

1974年6月、小田急多摩線が永山駅まで開通。一つ先の多摩センター駅までは、10月に京王相模原線が、翌年4月に小田急多摩線が延伸した。2001年1月に多摩センターへ乗り入れた多摩都市モノレールを含め、パネルや写真、鉄道模型などを通して、多摩ニュータウンへ延伸して半世紀に及ぶ鉄道の歴史を振り返る内容となっている。

愛を注ぐ対象は、鉄道などの「乗り物一筋」というわけではない。実は、大の植物や昆虫好きでもある。こちらの分野も少年時代から図鑑に親しみ、小学生から大人までの昆虫愛好者が集うグループ活動にも参加した。

乗り物と、植物や昆虫-。共通点がないように思えるが、追求するテーマは「形と色」という。「どちらも形や色にバリエーションがあるところに引かれる。興味が尽きない」と熱く語る。

東京農大造園学科卒業後、都立大大学院で日本の高山植物などを研究。大学院在学中にパルテノン多摩の学芸員となった。「人と話をするのが好き。研究員ではなく学芸員になったのは、より多くの人と接点を持ちたかったから」。学芸員の活動では、出前授業で地域の小学校へ赴き、多摩川周辺の植物について解説している。小学校の卒業アルバムに将来の夢を「博物館」と書いた。これは学芸員を意味しているのだという。

少年期に将来の夢とした学芸員が今後に向けて意欲を語る。「多摩ニュータウンは街の風景が美しい。多摩地域には面白く、すばらしいことがたくさんあると思っていただける展示をしたい」。鉄道、植物、昆虫-。それに負けないくらいの愛情を持つ多摩の魅力を、これからも紹介するつもりだ。(北浜修)

<パルテノン多摩>正式名称は多摩市立複合文化施設で「パルテノン多摩」は愛称。大ホール(1154席)や小ホール(269席)、オープンスタジオ、市民ギャラリー、五つの会議室などがある。小田急多摩線、京王相模原線、多摩都市モノレールの多摩センター駅から徒歩5分ほど。


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