東京都中野区長選と区議補選が31日に告示され、区長選はいずれも無所属で、3選を目指す現職と新人4人の計5人が立候補した。JR中野駅北口にある複合施設「中野サンプラザ」の再開発計画の是非を主な争点に、7日の投票日に向け舌戦に入った。区議補選は新人3人が出馬した。(足達優人、石原真樹、今坂直暉)
◎中野区長選挙立候補者(届け出順)
酒井直人54区長無所属現職当選2回
吉田康一郎59元区議無所属新人
石倉弘次郎28元製造会社社員無所属新人
森川岳大31監査法人職員無所属新人
秋池幹雄68会社員無所属新人

写真は左から届け出順に、酒井直人さん、吉田康一郎さん、石倉弘次郎さん、
森川岳大さん、秋池幹雄さん
現職酒井直人さん(54)は31日午後1時15分ごろ、中野駅北口前で「『子育て先進区』という言葉で2期8年取り組んできた」と第一声。ひとり親家庭支援や教育費軽減など実績を強調し「さらに突き詰めていく」とした。中道改革連合の長妻昭衆院議員や都民ファーストの会の荒木千陽都議らも応援に入った。
午後2時すぎ、同じ場所に立った新人の元区議吉田康一郎さん(59)は、現職在任中に区の出生率・数が下がり続けている状況を踏まえ、「子育て先進区というが、成果が上がらなかった8年間だ」と批判。給食費の無償化などで現区政の判断が遅いとし「私とともに前に進めてほしい」と支持を求めた。

中野区長選の候補者の演説を聞く人たち=同区で
新人の元会社員石倉弘次郎さん(28)は、第一声の場にサンプラザ前を選んだ。区営住宅の入居者が自費で給湯器の設置などを強いられている現状があると訴え、「区民のために税金が使われていない」と指摘。「区民を第一に考えて政策をしていれば、おのずと人が集まり栄える」と主張した。
新人で監査法人職員の森川岳大さん(31)は午後1時、東中野駅前でマイクを握り「子どもたちが中野に生まれて良かったと誇れる街をつくりたい」と呼びかけた。子育て世帯の経済的負担軽減や病児保育の充実など育児に関する施策を重視。「民間出身で、しがらみゼロ」ともアピールした。
新人の会社員秋池幹雄さん(68)は午前10過ぎ、区役所で報道陣の取材に応じた。サンプラザの老朽化の根拠が不透明である点など、現区政の情報開示の姿勢を問題視。「区民が分からないままに、平然と回る行政はおかしい」と指摘し、区民に開かれた行政への変革を訴えた。
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建て替えか、再利用か—。中野区長選で大きな争点となる中野サンプラザの再開発のあり方について、各候補の考えを聞いた。
酒井直人さんは建て替えによって、バリアフリーの課題解決や来館者の駅周辺施設への回遊性の向上を図り、「活況を呈する街にする」と主張する。
一方、森川岳大さん、石倉弘次郎さんの2人は再利用を掲げる。森川さんは既存建築を生かす街づくりを志向し、「サンプラザを中心に世界が憧れる現代日本文化の街へと進化させる」と話す。石倉さんは、タワーマンション化が見込まれる現計画を問題視。「まず再利用して、次にどうするかを検討すべきだ」と訴える。

工費高騰で再開発の計画を見直している「中野サンプラザ」=2026年5月、東京都中野区で(松崎浩一撮影)
吉田康一郎さんは区による民間への「定期借地方式」を唱え、「再利用やリノベーション、新設などを比較し、優れた案を採用したい」と語る。
秋池幹雄さんは現施設を建て替え、区が民間事業者に貸し出す方法を提案。「区民活動をしているところと連携できるのが良いのではないか」とする。
中野サンプラザの再開発は当初、7000人規模のホールなどが入る高さ262メートルの超高層ビルへの建て替えが計画されたが、昨年3月に白紙になった。区は来年2月の新事業計画策定に向け見直しを進めている。(足達優人)
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5月30日現在の選挙人名簿登録者数は28万4108人。区長選、区議補選ともに投票は7日、区内40カ所で行われ、区立総合体育館で即日開票される。