東京都議補選は7日投開票され、八王子市選挙区では、諸派元職の滝田泰彦氏(42)が当選を確実にした。自民新人の馬場貴大氏(45)との一騎打ちを制した。八王子市は裏金事件で役職停止処分を受けた萩生田光一衆院議員の地元。自民が強い地盤を誇るが、裏金問題などが影響したとみられる。
バンザイをして当選を喜ぶ滝田泰彦氏=東京都八王子市で(岡本太撮影)
滝田氏は当選確実の一報を聞いて支援者と握手を交わして喜びを爆発。「古い政治を変えるためにも、やらないといけないという気持ちだった。これがゴールではなくてスタート、再出発のスタートです。まだ道半ばなのであすからまた一歩一歩地道に取り組んでいきたい」とあいさつ。
差がついたことについては「ここは自民党の大物議員がいる選挙区。一騎打ちだったので、自民党じゃなくて対抗馬にいれようということがあったと思う」と述べた。
滝田氏は自身が代表の確認団体「新時代の八王子」からの出馬だが「実質は無所属。自民ではない受け皿になる」とアピール。大きな支持母体や支援団体はなく、街頭演説では「市民の手で古い政治体質を変える」と繰り返し訴えた。
2017年に都民ファーストの会公認で都議に初当選したが、21年都議選は落選。今年1月の市長選でも次点で落選していた。
一方、敗れた馬場氏は、各種団体や企業の支援を受けたが、自民への逆風をはねのけることはできなかった。午後11時半すぎ、敗戦が確実になると、馬場氏は「知名度がないなかでの選挙で、選挙期間中の訴えも、やはり足りなかった。全ては私の当然の不徳の致すところと努力不足でございます」と述べた。
一緒に姿を現した萩生田氏は「皆さんの大変なお力をいただいたにもかかわらず、残念な結果になりました」と切り出し、「選挙の当初から、自民党に対する逆風があり、また原因をつくった1人としておわびからの選挙がありましたが、その差を縮めることができませんでした。本当に本来でしたら八王子の将来を冷静に判断いただければと思いますが、国政の影響が大きく与えてしまったこのことを改めておわびを申し上げたい」と謝罪の言葉を繰り返した。
続けて、「ただ厳しい環境の中ではありましたけれども、勇気を出して立候補してくれた馬場候補にみんなでエールを送りたいと思いますし、来年リベンジに向けて明日からですね、立て直しを皆さんと一緒にしてまいりたいと思います。本当にご迷惑かけました」と話した。
取材に応じた馬場氏は「自民への逆風は感じたか」という質問に最初は濁したが、「やっぱり逆風は感じてますよ。ごあいさつ行っても、ちょっと距離が遠かったり。逆風はありました」と語った。(昆野夏子、岡本太)
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