自民党が歴史的大勝を果たした2月の衆院選では「非自民が比較的強い」とされてきた東京でも、自民が初めて都内30選挙区を制覇した。
東京の中で、自民が比較的安定した地盤を持っているとされるのが城東地域だ。
実際、自民が政権復帰した2012年以降の衆院選で、「城東7区」と呼ばれる足立区、荒川区、台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区を主な区域とする6つの選挙区は、東京15区(江東区)を除き、自民が議席を独占してきた。
そこで、23区議会で自民党の議席占有率が最も高い墨田区議会の佐藤篤議長(40)に、東京東部で自民支持が厚い背景を考えてもらった。ちなみに佐藤氏自身も、過去2回の区議選(定数32)でトップ当選している「選挙に強い自民党議員」の1人だ。(鈴木太郎、宮尾幹成)
佐藤篤(さとう・あつし)1985年、東京都墨田区のサラリーマン家庭に生まれる。早稲田大政治経済学部から飛び級し、同大学院法務研究科修了。法律事務所勤務を経て、2011年の統一地方選であった墨田区議選に公募で立候補し、全国最年少当選。現在4期目。自民党墨田総支部幹事長などを務める。2024年5月から議長。

23区東部で自民党の地盤が強い背景を語る墨田区議会の佐藤篤議長(五十嵐文人撮影)
城東地域で自民党が比較的強い理由として、昔ながらの地域社会が残っているからだ、という説明がよくあります。それは一理あるでしょう。
ただ、墨田区も人口の流動性は高いんです。外から入ってくる人は多い。単純に「昔から住んでいる人が多いから自民党が強い」という話だけではないと思います。
私は「首長」に注目しています。
昔は、23区もほとんどが自民系の区長でした。自民党の区議や都議だった人が区長になる、という形が多かった。今はだいぶ崩れてきています。
ただ、城東地域では、まだ自民系の区長や、(非自民系でも)自民党議員とうまくやっている区長が多い。これは大きいと思います。
首長は街の顔です。その人と協調できるかどうかで、区議会も変わっていく。城東では、首長や区議、町内会のリーダーなど、考え方の近い人たちが主要なポイントにいてくださる感じがあります。
国政選、首長選、地方議会選のたびに、互いの後援会や組織が動く。区議の後援会が衆院選で一生懸命動き、それがまた区議選にも相乗効果を出す。区長も、その中にいると思います。そういうサイクルがうまく回っているところは強いです。
逆に、どこかが欠けると、悪い方に回っていきます。保守系の首長が負けて、非自民系の首長になる。自民党は主張を通そうとしますから、「野党」に転落し、議会でも弱くなる。そこを修復できないと、衆院選でもなかなか勝てなくなります。
この構造が一番はっきり出ているのは、大阪です。
維新は、首長を取って地方政治を押さえようとした。「橋下改革」で府民が熱狂し、府議会を取り、大阪市議会まで行った。首長と地方議会の両方を押さえると、その影響は国政にも及ぶ。
一度ああなると、自民党が力を取り戻すのは相当大変です。30年計画くらいで、まず市議を増やすところからやらないといけない。
今は分断の時代で、右からも左からもいろいろな意見が出ます。でも政治家の役割は、民意を統合することです。
政治家が出ていって、「こういう意見もあるけれど、お互い納得できるのはこの辺じゃないか」と説得していく。両方からサンドバッグに遭いながらも、それをやる。そうすると地域は強くなる。国も強くなると思います。

東京都墨田区は、東京スカイツリー(写真中央)や大相撲が行われる両国国技館、繁華街・錦糸町などを抱える
東京の東側では、そういうことがまだできている気がします。主要なポイントを、考え方の近い人たちが押さえている。基本的な認識を共有している町は、やはりまとまりやすい。逆に、そこがぐちゃぐちゃになっている町は大変です。最終的には、まとめ役なんです。
もちろん、城東が強いといっても、危機感はありま...
残り
1084/2651 文字
この記事は会員限定です。
無料会員に登録する
有料会員に登録する
ログインして続きを読む
有料会員に登録すると
会員向け記事が読み放題
記事にコメントが書ける
紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
会員登録について詳しく見る
よくある質問はこちら