変わり続ける渋谷の中心部で58年間、最先端のファッションや文化を発信してきた西武渋谷店の明かりが、消えた。
喧噪(けんそう)と惜別の営業最終日を見つめた。(並木智子、宮畑譲)

9月30日午後8時直前、閉店間際の西武渋谷店前に詰めかけた人たち=東京都渋谷区で(木戸佑撮影)
9月30日。閉店の午後8時が近づくと、正面入り口前の歩道にはあふれるほどの人が集まり、スマートフォンを掲げて撮影する人々の手が次々に上がった。セレモニーやあいさつもなかったが、シャッターが閉まると拍手が湧き起こった。
開店当初から家族ぐるみで愛用してきたという千代田区の女性(69)は「これだけ駅近くのいい場所でも、みんなここで買わなくなった。今の渋谷の街には合致しなかったのだろうか」と寂しげに語った。

大勢の人が見守る中、閉店した=東京都渋谷区で(木戸佑撮影)
大田区の60代の男性会社員は最後にシャツとジャケットを購入。「渋谷は若い人向けの店が多くて、大人向けのものを買える店があまりない。いつもは空いていたが、今日は人が多かった。もう百貨店は、はやらないのかな」と残念そうだった。
時折雨が降る中、日中も多くの人が立ち止まり、別れを惜しんでいた。
「本当のおしゃれって何?全部渋谷で学びました。その中心が西武とパルコ」
「またひとつ渋谷のシンボルがなくなってしまい、本当に寂しい」

9月まで閉店セールや回顧展が開かれた西武渋谷店=東京都渋谷区で(池田まみ撮影)
ショーウインドーには客の手書きメッセージも掲げられ、「THE LAST」「その日まであと1日」の文字とともに、訪れた人たちが店を撮ったり、自撮りしたりしていた。
そんな人々の姿に、怪訝(けげん)そうな目を向けていたのは...
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