都会の真ん中、皇居で国立科学博物館による詳細な生物の調査が始まって今年で30年。3月に第3期調査が終了し、これまでに確認された動植物は累計7982種に上った。あらためて都会のオアシスを思わせる半面、気候変動の影響も見られる。調査の意義とは。(井上靖史)
「都心の緑地で見られる極めて高い多様性といえる」。2021年度から続いてきた第3期調査のプロジェクトリーダーを務めた国立科学博物館の大村嘉人さんはそう結果を紹介した。

都心に広がる大規模な緑地の皇居=千代田区で、本社ヘリ「あさづる」から
大村さんによると、皇居はひと言で言うと「堀に囲まれた深い森」。徳川幕府によって江戸城となる前はクロマツ林で、17世紀後半に庭園化された。昭和初期には一部がゴルフ場となったが、昭和天皇の意向もあって1937年以降は庭園管理を中断。1948年から武蔵野の植物を移植し、基本的に自然の成り行き任せとなった。
115ヘクタール、東京ドーム25個分の広さがある。一般の立ち入りが制限された「サンクチュアリ」で森林や草地、石垣に加え、地下水をポンプでくみ上げた滝や小川、堀や池など陸と水辺が連続した多様な環境がある。クヌギなど木々も茂る。

新種と確認されたシアノバクテリア=国立科学博物館提供
今回の調査では新たに光合成で酸...
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