台南市美術館、台北市立美術館、国立台湾美術館、高雄市立美術館、国立台湾図書館など台湾の15以上のミュージアムと個人コレクションから約200点の作品が一堂に会し、約500点におよぶ資料と、日本の作品約100点がともに紹介される「共時的星叢(せいそう)──時を共にした星たち越境する芸術のまなざし」展が、東京都現代美術館で開催中だ。台湾の近代美術がこの規模で紹介されるのは、日本において初の機会となる。

展示風景(筆者撮影)
全6章で構成され、台湾出身のキュレーターで、東アジアの前衛芸術運動にも明るい映画監督の黄亜歴(ホアンヤーリー)がゲストキュレーターをつとめた。
日本統治下でいかに台湾人たちの近代美術は確立されたのか。帝国美術院が主催した帝国美術院展覧会(帝展)を手本にかたちづくられた台湾美術展覧会(台展)が焦点化される第1章「翻訳と創造のはざまで」から、本展は始まる。
会場では、代表作の彫刻《甘露水》(1919年)が台湾の国宝に指定され、台湾出身者初の東京美術学校留学生として知られる彫刻家・黄土水(ホアントゥシュエイ)(1895~1930年)など、すでに日本での美術館個展が開催されている作家の作品や、台湾における近代美術の重要作、同時代の日本人作家の作品が並ぶが、その展示方法には意表を突かれた。台湾の気鋭の建築家ユニットと黄亜歴による空間構成は、型破りな装置のようにも思え、いわゆる静謐(せいひつ)な美術鑑賞空間とは趣を異にする。空間とともに展示方法も絶妙で、作品がちりばめられているような印象を受けた。
日本における近...
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