「どうせ社風は変わらない」。酒気帯び勤務など相次ぐ法令違反で、10月9日から28日までの20日間の一部船舶の使用停止命令の行政処分を受けた東海汽船(東京都港区)。社長の引責辞任など新体制を発表したが、内部関係者からは不満の声が漏れる。東京・竹芝と伊豆諸島を結ぶ唯一の生活航路で、島民の暮らしに影響も出ている。社風は刷新できるのか。(井上真典)
「誇りがおごりになり、甘えになってきたのではないか」。2日、国土交通省から船舶の使用停止命令書を受け取った山崎潤一社長(79)は、違反の原因を報道陣に問われ、そう答えた。
東海汽船は、東京湾を運航する四つの海運会社が合併し1889年に創業。137年の歴史がある。従業員は、218人(2026年7月時点)。昨年の乗客数は約60万人で、公共交通の確保・維持支援として、国などから直近5年間で約58億円の補助を受ける。

船舶の使用停止命令を受け、謝罪する東海汽船の山崎潤一社長(手前)=2日、横浜市中区で
今年1月から国の立ち入り検査を受け、飲酒後の勤務や、アルコール検査で別人が検査を受ける替え玉など、13の法令違反が発覚した。
東海汽船は、第三者を含めた特別調査委員会を設置し、報告書をまとめた。公表された文書では「経験に基づき、効率を優先する手抜きの常態化」など、社風が問題視された。
報告書は「独占航路で、主体性のある企業活動が求められる風土ではない。(安全面で)経営トップが主体的に関与していない」「一丸となって改めない限り、最終的には取り返しのつかない事態を招きかねない」──などと厳しく指摘した。
国土交通相も今月2日の定例会見で「経営トップを含め安全意識が欠けている。社風を一新する覚悟」を求めた。その3日後、東海汽船は、...
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