東京都の多摩地域27自治体が、災害時の避難者情報の共有とデジタル化を進めるため、避難者名簿を共通の様式に統一した。東京都市長会の加藤育男会長(福生市長)らが29日、都庁で会見して発表した。基礎自治体による自発的な取り組みとしては全国初という。
名簿を統一したのは、多摩地域の全26市と日の出町で、人口は計約420万人に上る。今後、自治体間で共通のシステムを使い、大規模災害時に住民の避難、健康管理情報の共有が図れる体制の構築を目指す。東京23区などにも参加を呼びかけていくという。

避難者名簿の統一について会見する東京都市長会の加藤育男会長(中)
2024年の能登半島地震では、多くの自治体が被災者の情報を避難所の受け付けなどで記入してもらう手書きの名簿で管理していた。そのため、避難所によって情報量に差があったり、データ化に多大な労力が割かれたりした。
この事例を教訓に首都直下地震が発生した際にも対応できるようにと、同年度に三鷹、府中、調布、狛江の4市が避難者情報の共有とデジタル化を考える検討会を設置。名簿の統一化を進めた結果、27自治体にまで広がった。
統一された名簿は、スマートフォンで2次元コードを読み込み、入力してもらう。代表者の氏名情報をカタカナに限定して漢字の誤りを防ぐほか、避難先として自宅や車中なども選べるようにし、被災者の居場所を把握しやすくしている。
加藤会長は「多摩地域の住民は23区に通勤・通学している人も多い。こうした取り組みが東京全域に広がってくれれば」と話している。(清水祐樹)