各店のロゴや特徴をデザインしたコースターを手に話す志村大次郎さん(左)と関口良夫さん=練馬区で
地元商店の魅力を伝え、街歩きのきっかけにしてもらおうと、東京都練馬区内の二つの商店会が各店の名刺代わりになるコースターを作り、それぞれの店で配り始めた。コースターは参加店舗・企業の特徴やロゴをデザインした全38種類。集めたり交換したりする人もいて、商店会は広がりに期待している。(奥野斐)
緑色で、い草模様の畳店。店主の希望で印鑑のような字体で店の名前を記したり、「亀」が入る店名にちなんで甲羅のような背景だったり。
企画したのは、豊島園駅近くの春日町本通り商店会と豊島園商店会。昨年、遊園地「としまえん」跡地に、人気映画シリーズ「ハリー・ポッター」の体験施設「ワーナーブラザーススタジオツアー東京」が開業したのを機に、コースターを広告にして、名刺のように交換することで互いの店を紹介しようと発案。「てくてくコースターエクスチェンジ」と名付けた。
春日町本通り商店会長で、電気店とカフェを営む志村電機珈琲焙煎(コーヒーばいせん)所の志村大次郎さん(52)が、常連客で商店会にも入るグラフィックデザイナーの関口良夫さん(46)に相談。関口さんは昨秋から全店を見て回り、店主の要望を聞き取って色や柄をデザインした。
「各店のたたずまいを表現できたと思う」と関口さん。原則各店に全種類を置き、客に配ったり飲み物を提供する際に使ったりしている。6月中旬から配り始め、なくなり次第終了。
関口さんは商店会のバーで、コースターを集めている客が店の人に「違う柄と交換してもらえますか?」と話しているのを聞き「うれしかった」。志村さんは「地元の人でも意外と知らない店がある。コースターを集めながら、いろいろな店を巡ってみてほしい」と話す。