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銀のリサイクルから始まった熱意…化学系廃棄物を無害処理し、東京の環境を守る「優しさに秀でた」会社

Sep 28, 2026 スポーツ IDOPRESS

〈坂本光司さんと歩く「いい会社を探して」〉ハチオウ

50年間にわたり全国8500社を見て回り、いい会社を世に広める活動を続けている「人を大切にする経営学会」の坂本光司名誉会長(元法政大学大学院教授)。社員や顧客など会社に関わるすべての人を大切にする会社は、業績も良いと説きます。記者が坂本さんに同行して、きら星のごとく輝く会社や経営者を随時紹介していきます。

◇

◆急速な高度経済成長により公害問題が深刻化する中で

「今回は、工場などの廃液類を化学的に無害処理して東京の環境や暮らしを守ってくれている会社です」と話す坂本光司さんと向かったのは、東京・神田に本社がある「ハチオウ」だ。

ハチオウ神田本社の応接室に貼られた神渡良平さんの書。「社員が読めるように掲示した」と森裕子相談役は話す=東京都千代田区で(木戸佑撮影)

3代目社長の森雅裕さん(61)は会社の成り立ちから説明してくれた。創業者で森さんの父、雅宜(まさよし)さん=2017年に死去=の実家は、東京の伝統工芸品である東京銀器を製造していた。

戦後、原料である銀地金が不足したため、雅宜さんは写真フィルム製造の廃液から銀を回収できないかと着目。銀の取り出しと廃液処理の両方に成功したことで、銀のリサイクル事業を手がける「八桜メタル」(ハチオウの前身)を1972年に創業した。

当時は急速な高度経済成長により公害問題が深刻化。都内の至るところに町工場があり、廃液や薬品の処理に関する相談が増えた。

◆「東京から出る化学系廃棄物は可能な限り都内で処理すべき」

「父は『産業廃棄物の安全処理が求められる時代になる』と考えたようです」と雅裕さん。そうして化学反応で廃液中の重金属を無害化するなどの化学系廃棄物処理に軸を移し、社名も「ハチオウ」に変更した。

ハチオウ神田本社の応接室に設置された木彫りの置物。「社員に見てもらえるように置いた」と森裕子相談役は話す=東京都千代田区で(木戸佑撮影)

2020年に社長に就任した雅裕さんには一つの信念がある。東京は研究開発の拠点が多く、理系大学も集まり、新しい技術の恩恵を最も受けているのが都民だと思っている。だから「東京から出る化学系廃棄物は可能な限り都内で処理したい、いや処理すべきだ」と心に決める。

墨田区と八王子市に工場を置き、都内の大学研究室には社員が常駐、大学教員と協力して未知の薬品類も安全に管理や処理をする。「化学系廃棄物は廃棄物全体のわずか0.03%と狭い世界ですが、生態系や生活への影響という点では現代社会の最大テーマの一つです」と使命感を語る。

◆福島の工業団地内での薬剤処理作業も

東京にこだわる同社だが、地方で大...

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