出産後間もない女性の心身の状態を確認する「産婦健診」が、東京都の全区市町村で10月から公費負担となる。全国8割超の自治体では既に公費負担だが、都内では独自に実施していた葛飾区や八王子市など6自治体(2024年度末)にとどまっていた。都は産後うつや虐待の早期発見、予防につなげる狙いだ。(奥野斐)
産婦健診は、母子保健法上は区市町村が必要に応じて行うこととなっている。出産した病院などで産後2週間~1カ月ごろに、母体の回復や精神状態をチェックする。

東京都庁(資料写真)
都は都内での全面実施に向け昨年3月に検討会を設け、区市町村共通の受診ルールや受診票を作り、全62区市町村が導入に合意した。各自治体が受診票を配り、出産した人は委託した医療機関での産後2週間と1カ月ごろの2回、定められた項目は原則自己負担なしで受診できる。医療機関によっては初診料などがかかることもあるという。
1回の補助額は5000円で、都は今後、医療機関向けの手引作成や周知を進め、10月の開始を目指す。2026年度当初予算案に区市町村への補助や普及啓発の費用を盛り込んだ。「里帰り出産」などで都外で出産し健診を受けた場合の対応は各自治体が定める。
産婦健診について、国は2017年度、費用助成事業を創設。こども家庭庁によると、2024年度は1445区市町村で実施し、1回5000円の補助額を国と区市町村とで折半して負担している。
都内で産婦健診の公費負担が進んでいなかった背景として、医療機関や専門医の数が地域ごとに異なることや、財政負担の大きさなどが指摘されていた。区市町村や都議会からは都に対し、共通受診制度の導入検討を求める声が出ていた。
都内では新生児の1カ月健診も10月から、同様の共通受診制度が導入され、全域で公費負担となる。妊婦健診は既に国内の全自治体で公費負担となっている。
都福祉局の砂賀満帆担当課長は「行政が産後うつなどのリスクを把握しやすくなり、母子への支援につなげる意義は大きい」と強調する。
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都内で先行して2021年10月に産婦健診の公費負担を始めた葛飾区では毎年度、受...
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