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煙突倒壊の原因究明に向け国土交通省が調査へ 「長周期地震動」が関連との指摘も…東京都心の210m煙突は

Aug 4, 2026 仕事 IDOPRESS

最大震度7の熊本地震で、日本製紙八代(やつしろ)工場(熊本県八代市)の煙突が近くの建物に倒れ、室内にいた従業員11人のうち9人が死亡し、2人がけがを負った。事態を受け国土交通省は、倒壊原因の究明に向け調査に乗り出すことを決めた。現地では、高層の細長い建物を大きく揺らす「長周期地震動」が最大レベルで観測され、専門家は倒壊原因との関連を指摘する。首都圏でも、高層の煙突が市街地に立地する。同様の地震が起きたときに、煙突は耐えられるのか。(増井のぞみ)

◆長周期地震動「立っていることができない」階級4

「煙突は子どものころから見上げ、八代のシンボルのような存在。倒壊で亡くなった人がいてショック」。八代市環境課の職員はそう思いを語る。

地震で倒壊した日本製紙八代工場の煙突=7月29日、熊本県八代市で(本社ヘリ「あさづる」から、小沢徹撮影)

市などによると、八代工場内に立地する50〜110メートルの煙突5本のうち、3本が大きな被害を受けた。根元付近から折れて、地面に横倒しになった煙突もあった。東京新聞は、煙突の地震対策などを日本製紙に質問したが、「(地震後に出した)プレスリリースを確認してほしい」との回答にとどまった。

東北大の遠田晋次教授(地震学)は「地震で煙突が折れるのは珍しい」と指摘するが、それでも倒れたのはなぜか。遠田教授によると、低層よりも高層の建物を大きく揺らす長周期の揺れが加わることで、揺れの幅が大きくなる共振(きょうしん)が起こったと推定する。

揺れが1往復するのにかかる時間を「周期」という。建物ごとに揺れやすい周期があり、一般に高い建物ほど揺れやすい周期は長くなる。地面の揺れの周期と建物の揺れやすい周期が一致すると、その建物は大きく揺れる共振を起こす。

通常の地震は、周期が1秒前後の短周期だが、今回は、周期が1秒後半から数秒の大きな長周期地震動の揺れが観測された。気象庁によると工場に最も近い市内の観測点で、10年前の地震は「60メートルを超えるマンションなどで物につかまりたいと感じる」という下から2番目の階級2のところ、今回は「立っていることができない」とされる最大の階級4だった。

◆専門家「耐震基準見直しなど必要」政府は調査へ

千葉大の林和宏准教授(建築耐震工学)は「煙突は10年前は階級2で無事だった。今回の揺れは1〜3秒台の成分が特に強く、想定の設計を超える大きなエネルギーが加わったと考えられる。煙突が倒れて亡くなった人がいる以上、耐震基準を見直すなどの対策が必要となるだろう」と話す。建築基準法では、地面から高さ16メートルを超える煙突で、鉄筋コンクリート造などを求める構造の規定がある。さらに高さ60メートルを超える煙突は地震に対する安全性を確認する構造計算を義務付け、国土交通相の認定も必要だ。

煙突が倒壊するなど地震で被災した日本製紙八代工場=7月29日、熊本県八代市で(本社ヘリ「あさづる」から、小沢徹撮影)

所管する国交省の担当者は「構造物の専門家による現地調査で、煙突がどのように死傷者に影響を及ぼしたかなど被害の実態確認が...

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