
今年描いた原爆ドームの作品と、嵯峨谷さん=小平市で
東京都小平市の嵯峨谷梢さん(85)は2007年から、広島の原爆ドームを描き続けている。広島県呉市出身で、4歳のときに原爆投下直後の広島市で惨状を目の当たりにした。「こんな現実があることを知ってほしい」との願いを絵筆に込め、被害の激しさを伝えるドームの威容を自分の背丈を超える大きなキャンバスに刻む。(石原真樹)

灯籠流しと原爆ドームを描いた2015年の作品「ずっと忘れない」
07年の初めての作品は、赤黒く燃えるような空にそびえる原爆ドーム。それまで花や人物などを描いており、「100号のキャンバスに合う画題は何か」と考える中で原爆ドームが思い浮かんだ。
それから毎年のように、ドーム前の元安川で行われる灯籠流しと組み合わせたり、内側から捉えたり、視点を変えて描いてきた。「小さいキャンバスだと戦争がだらんとしてしまう」と、背筋を伸ばさないと筆が届かない大型の作品にこだわる。タイトルは一貫して「ずっと忘れない」だ。

原爆ドームの中から空を見上げた構図の2018年の作品
81年前の8月6日、疎開先の山口県岩国市から呉に戻る列車に母と乗っていた。原爆投下によって動けなくなった列車の脇を、皮膚がどろどろと垂れ下がり血まみれになった...
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