お墓のマンションとも呼ばれるビル型納骨堂が都心で増えている。アクセスの良さなどから人気を集める中、東京都港区の巨大納骨堂では、資金繰りの悪化で差し押さえされ、強制競売手続きの開始決定を受けた。経営許可を出した区は6月、「遺骨の行き場所がなくなる可能性がある」として、法人に行政指導を行った。永代供養のはずが、故人の安らかな眠りを妨げる事態になっている。(井上真典)
この巨大納骨堂を運営するのは、港区の宗教法人。寺は、1000年以上の歴史があり、古刹(こさつ)として地元で知られる存在だった。
2014年に木造平屋の寺を地下1階、地上5階のビル(延べ床面積2700平方メートル)に改築。敷地内の墓地にあった墓石数十基は屋上に移した。

強制競売手続きの開始決定を受けている納骨堂のビル。屋上には墓石も設置されている(一部画像処理)=15日、東京都港区で、本社ヘリ「あさづる」から(朝倉豊撮影)
納骨堂は改築後、ビル内に設けられ、最大5000基まで収容できる。区内の納骨堂51施設のうち4番目に大きな収容規模だ。宗教法人によると、今月21日時点で、約1200基を預かっているという。
競売開始決定は、5月18日付。申し立てたのは札幌市の不動産会社で、納骨堂使用権の売買代金を求めて、宗教法人に民事訴訟を起こしていた。東京地裁は、約1億4900万円の支払いを命じている。
関係者によると、宗教法人は、不動産会社以外にも計数十億円の借り入れがあるという。都も6月、税金滞納で宗教法人の不動産を差し押さえた。
事態を把握した区は6月18日、競売にかけられて第三者に土地建物が渡らないよう法人に口頭指導した。宗教法人が競売を逃れるには、債権を弁済するなどして債権者に申し立てを取り下げてもらう必要がある。
納骨堂のホームページによると、年中無休で参拝が可能で専用のカードキーで入室する。参拝スペースまで、自動で遺骨の入った厨子(ずし)が運ばれる仕組み。納骨堂の使用権は30万~120万円台のプランがあり、永代供養をうたっていた。競売開始決定後も購入希望者を募っているとみられる。
宗教法人の代表役員によると、寺の運営...
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