東京都は19日、奥多摩町で、市街地へのクマ出没を想定した初の緊急銃猟訓練を実施した。首長の判断で特例的に発砲を認める緊急銃猟は、都内では9月に八王子市が初めて実施し、クマ1頭を駆除した。
「発砲」。町のマニュアルで定められた緑色のビブスを着用した猟友会員が玩具の銃をクマの縫いぐるみに向け、叫んだ。命中し、クマは動かなくなったとして近づき、2メートルほどの棒で突いて安全を確認した。

クマの死亡確認の訓練を行う警察官と猟友会員ら=19日、東京都奥多摩町で(横田航洋撮影)
緊急銃猟の実施はクマが生活圏に侵入し、被害防止の緊急性があり、他の方法では対応が難しく、発砲しても住民の安全が確保される場合に限られる。
訓練でも発砲に至るまでの過程を重視。町、猟友会、青梅署の3者は道路の通行規制や住民への広報なども含めて慎重に検討し、実施を決定したが、確認事項が多岐にわたり、なかなか迅速に進まなかった。

クマの緊急銃猟に関する机上訓練を行う関係者ら=19日、東京都奥多摩町で(横田航洋撮影)
訓練後、町観光産業課の大串清文課長は「少しでも短縮できるよう、課題を洗い出して改善したい」と総括。都環境局の近藤健・野生生物担当課長は「平時から関係機関が連携し、手順を確認しておくことが大切だ」と述べた。(清水祐樹)