クイック検索
Today:

1950年代の日豪の悲恋を追って 藤岡亜弥個展「Forget Me Not」〈美術評〉タカザワケンジ

Nov 3, 2026 旅行 IDOPRESS

見知らぬオーストラリア人女性から届いた一通のメッセージ。そこに書かれていたのは、老いた父が、かつて日本人女性との約束を果たせなかったことを悔い、その女性を捜しているという内容だった。

展示風景(撮影:竹久直樹)

藤岡亜弥展「Forget Me Not」は、写真と文章、映像による展覧会である。作品の主な舞台はメルボルンと広島県の呉。掲示されている文章は、Facebookで届いたダイレクトメッセージだけだ。その内容は、朝鮮戦争に従軍した父が、1950年代に呉で日本人女性と結婚を約束したものの果たせなかった。父は結局、オーストラリアで家庭を持ったが、認知症を患った今、女性とその家族を捜し出して謝罪したいと願っている、というものだった。

藤岡亜弥《Forget Me Not》撮影地:メルボルン、オーストラリア

かつての恋人の名はフジオカキミコ。藤岡の祖母と同姓で同じ呉の人だった。心当たりのない藤岡は当初メッセージを無視したが、写真や当時の住所が一方的に送られてきた。映像作品には、藤岡が伝手(つて)をたどって調べていく過程が記録され、戦争花嫁を支援する市民グループや、軍港だった呉の歴史を調べる人々が関わり、つながりができていく様子が描かれている。

伝統的なドキュメンタリー写真なら、1人の女性の行方を捜す「物語」として描いていただろう。2人の人生がどのようなものだったかを掘り下げることで、日豪の戦後史に新たな光を...

残り

560/1120 文字

この記事は会員限定です。

無料会員に登録する

有料会員に登録する

ログインして続きを読む

有料会員に登録すると

会員向け記事が読み放題

記事にコメントが書ける

紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)

※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。

会員登録について詳しく見る

よくある質問はこちら

クイック検索

公式問題は、最新の地域ニュース、企業の更新、公式の発表の信頼できる情報源であり、公平な報告と企業問題に関する詳細な洞察を提供します。

© 東京ニュースフラッシュ