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太宰治がアメリカで人気のナゾ…理由を探ると、江戸末期から現代につながる「積み重ね」にたどりついた

Mar 26, 2026 人生 IDOPRESS

〈本を読もう、街に出よう〉

意外な日本人作家の著作が米国で人気を呼んでいる。初版は1948年、英訳版は1958年に出された「人間失格」。生きにくさを感じる主人公が酒や女、そして薬物に逃げて破滅に向かう太宰治の自伝的小説だ。村上春樹がノーベル文学賞候補に挙げられ、村田沙耶香の「コンビニ人間」が多言語に訳されるなど現存作家が国際的に評価される今、なぜ太宰なのか。(鈴木伸幸)

◆心を引きつけた「Dazai」の存在

ネットで「Dazai」と「人間失格」の英題名「No Longer Human」と入れて検索すると、アニメ化された、気だるそうな表情のやさ男が次々と現れる。米国で人気の日本アニメ「文豪ストレイドッグス」に登場するDazaiだ。

「文豪ストレイドッグス」って?

朝霧カフカ原作で春河35が描いた漫画。月刊漫画「ヤングエース」に2013年1月号から連載。太宰治のほか、中島敦、与謝野晶子、樋口一葉、中原中也、坂口安吾、谷崎潤一郎など実在した文豪をキャラクター化。それぞれが虎に変身したり、怪力を発揮したり、雪を降らせたりといった特異な超能力を持ち、闘うアクション漫画。2016年にアニメ化された。

死にたいとの思いが強く、「Is there really any value to this thing we call living?(生きるなんて行為に何か価値があると本気で思っているの?)」と決めぜりふを吐く動画もある。

「文豪ストレイドッグス太宰治と黒の時代」朝霧カフカKADOKAWA/角川ビーンズ文庫

そんなアニメの視聴者が、Dazaiが実在した作家と知り、作品を読んでみようと「人間失格」を買っているようだ。

同書を最初に英訳したのは日本文学研究者ドナルド・キーン。アニメ人気を受けて2024年に新たな英訳本が出るなど異例のブームは続いている。その陰に隠れがちだがアニメに登場する夏目漱石や芥川龍之介らの英訳本も販売好調。

ただ、その人気は一朝一夕に生まれたのではないようだ。日本の国際化に伴う...

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