〈坂本光司さんと歩く「いい会社を探して」〉西武信用金庫
50年間にわたり全国8500社を見て回り、いい会社を世に広める活動を続けている「人を大切にする経営学会」の坂本光司会長(元法政大学大学院教授)。社員や顧客など会社に関わるすべての人を大切にする会社は、業績も良いと説きます。記者が坂本さんに同行して、きら星のごとく輝く会社や経営者を随時紹介していきます。
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「今回は、日本一優しい金融機関を目指している信用金庫を訪れましょう」と話す坂本さんと向かったのは、JR中野駅近くに本店がある西武信用金庫だ。
1969(昭和44)年に設立、東京都と埼玉、神奈川県の一部が営業地区。全国254の信金で16位の預金量(約2兆2000億円)があるが、高橋一朗理事長(65)は「規模は追っていません。5年前に思い切って成長優先路線を捨て、数値目標を全廃した」ときっぱり。

対談する西武信用金庫の高橋一朗理事長(右)と坂本光司さん=中野区で
重視するのは、融資先の中小企業の売り上げを増やし、黒字にするお手伝いをすることだという。全国の中小企業の約7割が赤字といわれる中、同信金の融資先はその逆で黒字が約7割を占める。
そんな西武信金だが、過去には不動産投資に傾斜するなど利益を優先した経営に走ったことがあった。
「株式会社である銀行とは違い、信用金庫は相互扶助を理念とする協同組織です。それを忘れてしまってはだめ。自己の成長でなく、お客さまのために行動するよう原点に立ち返りました」と高橋理事長。企業、個人、そしてNPOにも支援を尽くしている。
その経営姿勢を象徴するのが、営業担当の肩書をなくし「コーディネート担当」とした点だ。「中小企業には奥の深い技術やノウハウがあり、私たちが簡単に理解できるものではありません。だから技術に詳しい大学教授を紹介したり、地域の中小企業診断士につないだりとコーディネートに徹するのです」。
ユニークな取り組みが数多くある。取引先で創業から1世紀を超える企業を組織化した「西武100年企業の会」は、老舗企業の理念やノウハウな...
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