マンション建設を中心に民間主導で進められる東京都内の再開発事業で、工事費の高騰に伴って税金への依存度が高まっている。事業費が膨らんだ再開発事業のうち9割超が、国や自治体からの補助金を積み増していたことが東京新聞の調査で分かった。再開発事業に投入される税金は、補助金だけにとどまらない。京成立石駅北口(東京都葛飾区)の再開発では、庁舎を移転させる区にビルの床を買い取ってもらうなど事業費の7割超を税金で賄う。工事費の高騰に伴い、区の負担は際限なく膨らんでいる。(中沢誠、鈴木里奈)

補助金投入リスト
総額や積み増し額…全68地区を独自調査
6月半ば、駅前の再開発予定地を訪ねると、白い壁で仕切られ、あちこちに大きな重機がそびえていた。かつて通りをひしめいていた飲み屋はなく、千円札1枚で酔えると言われた「せんべろの街」の面影はない。
この日開かれた区議会の委員会では、物価上昇により、床の取得額がさらに40億円ほど増え、約400億円になるとの区の試算結果が報告された。委員会を傍聴していた市民団体代表の今井賢吾さん(72)は、あきれたようにつぶやいた。「まるで青天井だ」

京成立石駅北口の再開発予定地。写真左側に区庁舎が入る東棟、右側にタワーマンションとなる西棟が建つ=2025年9月、東京都葛飾区で、本社ヘリ「あさづる」から(七森祐也撮影)
計画では4年後、駅前に2棟の高層ビルが建つ。西棟(高さ125メートル、36階建て)は主にマンションとなり、東棟(高さ75メートル、14階建て)には新庁舎が移転する。区は当初、事業主体の再開発組合から床を約250億円で買い取ることになっていた。
ところが事業費が膨張。昨年10月の工事契約時点で、当初計画から400億円近く増え、1300億円に達した。増えたコストを賄うため、区が床を取得する額は約350億円にまで引き上げられていた。

区の取得額は、物価上昇に応じて価格を見直す条件になっており、工事費が上がれば区の負担は膨らむ。区でさえ「どれだけ増えるか分からない」と言うほど、底無しの状況だ。
新庁舎整備のため区が積み立てている基金は、2025年度末で241億円(見込み)。想定を超える値上がりに、区は「足りなければ起債を検討する」という。
区議会からは財政圧迫を懸念する声も上がる。
それでも区は「もう後戻りはできない」との姿勢だ。区で庁舎移転を担当する森裕...
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